大泉町から出土した埋蔵文化財
更新日:2022年3月17日
大泉町には、遺跡や古墳が数多く存在しており、発掘調査の結果、その遺跡や古墳からは埴輪(はにわ)や土器、石器、大刀(たち)、鏡などの埋蔵文化財が数多く出土しています。
主な出土遺物
吉田遺跡2出土遺物
- 出土場所:大泉町大字吉田地内
- 時代:6世紀から8世紀
- 発掘調査:平成9年7月から10月
- 概要:吉田遺跡2は、古墳時代から平安時代にかけての集落跡で、20軒の住居跡が検出されたほか、甕(かめ)や高杯(たかつき)、椀(わん)などの土器類が出土しています。
吉田遺跡2出土遺物
古海松塚(こかいまつづか)11号古墳出土遺物
- 出土場所:大泉町大字古海地内(高徳寺(こうとくじ)の北東)
- 時代:5世紀後半
- 発掘調査:平成元年5月から9月
- 概要:古海松塚(こかいまつづか)11号古墳は、5世紀後半の帆立貝式古墳で、全長約35メートルの古墳です。古墳に建て並べられた円筒埴輪(えんとうはにわ)および人物埴輪(じんぶつはにわ)などの埴輪類が出土しています。出土品については、平成20年3月27日に群馬県指定重要文化財として登録されました。
古海松塚(こかいまつづか)11号古墳出土遺物
古海原前(こかいはらまえ)1号古墳出土遺物
- 出土場所:大泉町大字古海地内(古海東公民館南)
- 時代:5世紀後半
- 発掘調査:昭和62年
- 概要:古海原前1号古墳は、5世紀後半に造られた帆立貝式古墳で、四重に重なった埋葬施設が検出されました。埋葬施設からは、副葬品として、捩文環式環頭大刀(ねじもんかんしきかんとうたち)と呼ばれる直刀、同向式画文帯神獣鏡(どうこうしきがもんたいしんじゅうきょう)と呼ばれる鏡、鉄製の馬具・轡(くつわ)、鉄鏃(てつぞく)、玉(ぎょく)類、供献土器(きょうけんどき)類などが出土しています。
捩文環式環頭大刀(ねじもんかんしきかんとうたち)
同向式画文帯神獣鏡(どうこうしきがもんたいしんじゅうきょう)
馬具・轡(くつわ)
鉄鏃(てつぞく)
供献土器(きょうけんどき)など
大泉町間之原(あいのはら)遺跡など出土遺物
- 出土場所:大泉町北小泉地内
- 時代:縄文時代中から後期(今から5千5百年前から3千5百年前)
- 発掘調査:昭和62年1月から5月
- 概要:大泉町間之原(あいのはら)遺跡からは、昭和62年1月から5月にかけて発掘調査を行った結果、縄文時代中から後期にかけての住居跡が検出され、煮炊きおよび貯蔵用などに使われた甕(かめ)類が出土しています。
大泉町間之原(あいのはら)遺跡など出土遺物
古海松塚(こかいまつづか)37号古墳出土大刀埴輪(たちはにわ)
- 出土場所:大泉町大字古海地内
- 時代:6世紀後半
- 発掘調査:平成3年度
- 概要:古海松塚(こかいまつづか)37号古墳からは、大型の大刀埴輪(たちはにわ)が出土しており、全長147センチメートルあります。手甲を保護する勾金(まがりがね)や装飾の三輪玉(みわだま)などが付され、「護拳大刀(ごけんのたち)」を表現しています。
大刀埴輪(たちはにわ)
仙石専光寺(せんごくせんこうじ)付近遺跡出土遺物
- 出土場所:大泉町仙石地内
- 発掘調査:昭和62年から平成3年
- 概要:仙石専光寺(せんごくせんこうじ)付近遺跡からは、437号住居跡出土土器や登窯(のぼりがま)使用により製作された須恵器(すえき)と呼ばれる硬質土器、有孔円盤(ゆうこうえんばん)や垂飾(すいしょく)、勾玉(まがたま)などの石製品、農機具として使われた鎌や斧、刀子(とうす)と呼ばれる小刀などの鉄製品、ふいごの先である羽口(はぐち)や砥石(といし)類、漁具として使用された土錘(どすい)と呼ばれるおもりなどが出土しています。
437号住居跡出土土器
須恵器(すえき)
鎌や刀子(とうす)などの鉄製品
羽口(はぐち)や砥石(といし)類
土錘(どすい)
仙石専光寺(せんごくせんこうじ)付近遺跡ほか出土墨書土器(ぼくしょどき)
- 出土場所:大泉町仙石地内
- 時代:平安時代(8世紀から10世紀)
- 概要:墨書土器(ぼくしょどき)とは、文字や記号、絵画などが描かれている土器類です。場所や建物、人物、数字、方位などが墨書(ぼくしょ)などにて記されており、判読可能なものとできないものがあります。大泉町では、「大山」や「東」、「八十」、「南院」、「厨」、「吉」、「一」、「川」、「人」、「寺」などの文字が確認されています。
墨書土器(ぼくしょどき)
墨書土器(ぼくしょどき)
「東」の文字が書かれた坏(つき)
仙石専光寺(せんごくせんこうじ)付近遺跡ほか出土板碑(いたび)
- 出土場所:大泉町仙石地内ほか
- 時代:中世(鎌倉時代以降)
- 概要:板碑(いたび)は、中世以降において、戦乱で亡くなった人々の石製の塔婆(とうば)のことで、大泉町内からは仙石専光寺(せんごくせんこうじ)付近遺跡などから出土しました。なお、大泉町内において最古のものは、永仁2年(1294年)の記年がある「阿弥陀三尊板碑(あみださんぞんいたび)」で、町指定重要文化財に指定されています。
板碑(いたび)
御正作(みしょうさく)遺跡ほか出土石器類
- 出土場所:大泉町朝日地内(御正作(みしょうさく)公園)
- 時代:旧石器時代(約3万年前から1万年前)
- 発掘調査:昭和55年8月から昭和56年6月
- 概要:御正作(みしょうさく)遺跡からは、石器を作る際の黒曜石の塊である石核(せっかく)や加工されたナイフ形石器などが出土しています。
尖頭器(せんとうき)やナイフ形石器など
御正作(みしょうさく)遺跡出土土器類
- 出土場所:大泉町朝日地内(御正作(みしょうさく)公園)
- 時代:古墳時代前期(4世紀から5世紀)
- 発掘調査:昭和55年8月から昭和56年6月
- 概要:御正作(みしょうさく)遺跡からは、古墳時代前期の「石田川式土器」を中心とした台付き甕(かめ)や器台(きだい)などの土器が出土しています。なお、台付き甕(かめ)は、櫛目調整とS字状口縁を有しているのが特徴です。
御正作(みしょうさく)遺跡出土の器台(きだい)など
御正作(みしょうさく)遺跡から出土した台付き甕(かめ)など
古海地内10番古墳出土遺物
- 出土場所:大泉町大字古海地内
- 時代:6世紀初頭
- 発掘調査:平成22年5月から8月
- 概要:古海地内10番古墳は、6世紀初頭の古墳で、直径約35から40メートルの古墳です。
墳丘周辺の溝に建て並べられた円筒埴輪(えんとうはにわ)をはじめ、大刀(たち)や竪櫛(たてぐし)、鉄鏃(てつぞく)、管玉(くだたま)、刀子(とうす)などの副葬品が出土しています。
円筒埴輪(えんとうはにわ)
大刀(たち)や鉄鏃(てつぞく)など
管玉(くだたま)や竪櫛(たてぐし)など
鉄鏃(てつぞく)
家形埴輪(いえがたはにわ)など
出土遺物の展示
大泉町から出土した埋蔵文化財の一部は、洋泉興業大泉町文化むら(大泉町朝日五丁目24番1号)展示ホール棟1階埋蔵文化財展示室において、展示公開を行っています。
埋蔵文化財展示室の場所・開館時間については、関連リンクの「埋蔵文化財展示室」のページをご覧ください。
関連リンク
このページに関する問い合わせ先
教育部 生涯学習課
電話番号:0276-63-3111
窓口の場所:公民館事務室内