更年期障害について理解しましょう
更新日:2022年5月25日
女性の更年期障害は誰でも起こる可能性があります。更年期障害について正しい知識を持ち、からだやこころのサインを見逃さず、しっかり対応することが大切です。
また、更年期障害について、不安なことや困ったことがあったら、ひとりで抱え込まず、家族や友人、専門家に相談しましょう。
健康づくり課の窓口でも相談を受け付けています。
女性の更年期障害
時期
女性の一生のうち、閉経をはさんだ前後5年間を更年期と言います。日本人の平均閉経年齢は50歳と言われていますので、一般的に更年期とは45歳から55歳に相当します。
この時期は、子どもの独立や夫の定年、親の介護、仕事の負担増加など生活のリズムが変わる時期でもあり、ライフスタイルの変化も生じやすく、ストレスの多い時期です。ストレスは、女性のからだと健康に大きな影響を与えます。
症状
更年期に起こるこころとからだの不調を更年期症状と言います。
閉経前後に卵巣機能が低下することで、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが減少し、その結果ホルモンバランスの乱れが生じ、さまざまな症状が起こります。主な症状に、顔のほてりやのぼせ、動悸、脈が速まる、大量の発汗、めまい、だるさ、冷え、肩こり、腰痛、イライラ、不安、うつ、意欲低下、月経異常、不正出血、吐き気、食欲不振などがありますが、症状の現れ方は人それぞれです。
診断と治療
受診するタイミング
もしかしたら更年期障害かも、と思ったときが受診するベストなタイミングですが、実際は受診せずに我慢してしまう人がほとんどです。
しかし、我慢しすぎるとストレスが溜まり、症状が悪化してしまう可能性があります。更年期障害が出ている人は、早めに受診することをお勧めします。
なお、この更年期の時期は、更年期障害の他にも、甲状腺の病気やがん、うつ病なども生じやすい年齢であるため、更年期障害と自己判断せずに、専門医を受診することが大切です。
受診する診療科
婦人科や産婦人科、女性総合診療科などを受診しましょう。
また、内科でも更年期障害に対応してくれる医師もいます。
問診や診察で自分の状態を伝えましょう
受診する際には、次のことをメモしたものを持参して、自分の状態を伝えましょう。
- 自覚症状の内容と程度、期間
- 月経の有無、月経周期、基礎体温の記録
- 自分の病歴や現在治療中の病気、服薬について
- 最近の食生活、生活習慣について
検査と診断
血液検査で血中のホルモン濃度を測定し、更年期障害かどうか診断をします。
治療
更年期障害と診断されると、注射やパッチ剤、飲み薬などを使って、エストロゲンを補う治療(ホルモン補充療法)を行います。
また、ホルモン補充療法を適用できない人や多彩な更年期障害の症状を持つ場合には、漢方薬による治療を行う場合もあります。うつや精神神経症状がある人には、抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもあり、カウンセリングを併用しながら、ストレスや不安を取り除きます。
この様に、症状に応じてその人にあった治療方法を選択します。
更年期障害を乗り切るためのポイント
無理をせず、やりたいことをやりたいときにする
更年期障害になると、だるさ、倦怠感、疲れなどが出てきます。今までささっとできていたことができなくなったり、少し動いただけで体がだるくなってしまい、休憩を頻繁にとらなくてはいけないような状態になる人もいます。更年期障害の期間は、自分の身体とこころに相談しながら、仕方がないと開き直り、無理をしないことが大切です。
家族や周りの人の理解
更年期障害には、いろいろな症状があるので、周りの人々へ理解してもらうことが大切です。経験者には理解されやすいけれども、男性などにはなかなか理解してもらうことは難しいかもしれません。
しかし、更年期症状が重症化すると自分だけではなく、周りにも影響が出てくる可能性があることを理解し、更年期障害が出ている期間は家族などの協力を得ることも大切です。周りの理解があるだけで精神的にも楽になるので、自分の状態をきちんと伝えるようにしましょう。
適切な運動
運動は自律神経のバランスを整え、さまざまな不快症状を緩和させる効果があります。
また、抑うつ気分や不安を軽減するなど精神面への効果も期待できます。散歩やストレッチなど軽い運動でも、代謝がよくなり、身体によい影響を与えます。
食生活を見直す
日々の食事内容を見直し、バランスのよい食事を規則正しくとるようにすることが大切です。老化を防止する働きのあるビタミンEを多く含むアーモンドやヘーゼルナッツ、西洋カボチャ、うなぎの蒲焼き、モロヘイヤなどがおすすめの食品です。
次に、脳や神経の働きを正常にするビタミンB1を多く含む食品として、豚肉がおすすめです。
他には、うなぎの蒲焼き、紅鮭、玄米などもビタミンB1が豊富です。
また、更年期障害を軽くするイソフラボンを多く含んだ大豆製品などを積極的にとることもおすすめします。
しかし、よい食品もとり過ぎてはいけません。動物性脂肪や甘い菓子類はできるだけ控え、食べ過ぎに注意します。また、アイスなど身体を冷やす食品も避けた方がよいです。
ストレスをためない
うつ状態やイライラが更年期障害で多く、そのような精神状態の時にストレスをためると、ますます症状が悪化します。気持ちの切り替えを上手に行うこと、そしてリラックスができる環境や時間を確保するようにしましょう。
若い女性と更年期障害
20代から30代の若い女性でも、更年期障害に似た症状が現れることがあります。倦怠感やのぼせ、妊娠していないのに数か月間月経がないことなどがあります。月経がない状態を放置し、そのまま1年以上月経がないと、体が閉経と見なしてその後の妊娠が難しくなる可能性もあります。月経不順や体の不調が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
このページに関する問い合わせ先
健康福祉部 健康づくり課
電話番号:0276-62-2121
窓口の場所:保健福祉総合センター1番窓口