応急手当(心肺蘇生法とAEDの使用)
更新日:2020年11月14日
心肺蘇生法とは、意識が無く、心臓の動きもなく、ふだん通りの呼吸も感じられないと判断した傷病者(以下傷病者)に、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を実施します。これは生命を維持するための循環を保つために行います。また、心臓の動きや呼吸を取り戻すだけではなく、脳の機能を守り傷病者の社会復帰を目指すものでもあります。
心肺蘇生法
反応(意識)を確認する
傷病者に近づき、耳元で「もしもし大丈夫ですか?」と大声で呼びかけ、肩を軽くたたき反応を確認する。
- 反応(意識)がある場合:傷病者の訴えを聞き、必要な応急処置を行う
- 反応(意識)がない場合:助けを呼ぶ(119番通報)
助けを呼ぶ(119番通報)
意識がなければ、「誰かきてください、人が倒れています」と大声で人を集める。
- 成人の場合(約8歳以上)
「あなたは、119番通報してください。」
「近くにAED(自動体外式除細動器)があれば、持ってきてください。」と伝える。 - 小児(約1から8歳未満)・乳児(約12か月未満)の場合
救助者が2人以上いる場合は、1人が心肺蘇生法を開始する。
他の人が119番通報しAEDをもってくる(乳児には使用禁止)
救助者が1人だけの場合、先に2分間の心肺蘇生法を実施する。
その後、119番通報を行って、心肺蘇生法を開始する。
気道の確保
傷病者の喉の奥を広げて空気を肺に通しやすくする。
片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先に当てて、頭を後ろにのけぞらせあご先をあげる。
呼吸の確認
ふだんどおりの息をしているか確認する。
気道を確保し、10秒以内で確認する。
自分の顔を傷病者の胸に向け、呼吸確認する。
「見て」:胸・腹の上がりを見る
「聞いて」:耳を傷病者の口と鼻に近づけ息の音を聞く
「感じて」:頬で息を感じる
- 呼吸がない場合:人工呼吸を行う
- 呼吸がある場合:回復体位
人口呼吸
口対口(鼻)人工呼吸により、肺に空気を送り込む
気道を確保し、額に当てた手の指で鼻をつまみ、自分の口で傷病者の口を覆い、約1秒かけて胸の上がりが見える程度に2回吹きこむ。
- 成人の場合(約8歳以上)・小児(約1から8歳未満)の場合
気道を確保し、額に当てた手の指で鼻をつまみ、自分の口で傷病者の口を覆い1回約1秒かけて胸の上がりが見える程度に2回吹きこむ。 - 乳児(約12か月未満)の場合
口対口鼻人工呼吸で行う。もし、同時に覆えないときは口対口人工呼吸で行う。
成人・小児と同じく、1回約1秒かけて胸の上がりが見える程度に2回吹きこむ。
ポイント
- ケガをしている場合は、血液による感染に気を付ける。
- 人工呼吸がためらわれる場合は、人工呼吸を省略し、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う。
- 人工呼吸のみでは実施しない。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)
胸骨圧迫(心臓マッサージ)により全身に血液を送る。
- 成人の場合(約8歳以上)の場合
胸の真ん中(両乳頭を結ぶ線の真ん中)を両手(指を組む)で4から5センチメートル程度の深さで絶え間なく圧迫する。 - 小児(約1から8歳未満)の場合
手順は、成人と基本的に同じですが、深さは体格が違うので、胸の厚みの3分の1を目安として絶え間なく圧迫する。 - 乳児(約12か月未満)の場合
手順は、成人・小児と基本的に同じですが、圧迫の方法は、乳児では2本指(中指・薬指)で押す。
圧迫の位置は、左右の乳頭を結ぶ線の少し足側を押す。
ポイント
- 1分間に100回の速いリズムで30回圧迫する。
- 垂直に圧迫する。
心肺蘇生法の実施
30対2のサイクル(胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回と人工呼吸2回の組み合わせ)を、救急隊に引き継ぐまで絶え間なく続ける。
ポイント
胸骨圧迫を続けるのは疲れるので、もし救助者が2人以上いる場合は、約2分間(5サイクル)程度を目安に交代する。
心肺蘇生法を中止する時期
- 傷病者がうめき声を出したり、ふだんどおりの息をし始めた場合
- 救急隊に引き継いだ時(救急隊が到着してもあわてて中止せずに、救急隊の指示に従う)
AEDの使用手順(成人と小児のみ)
AEDの到着と準備
- 届いたらすぐに準備を始める。
- メッセージとランプにしたがって使用する。
- 電極パッドを貼る。
ポイント
- 電極パッドを貼る際にも胸骨圧迫は止めない。
- 体が濡れている時は拭き取る。
- アクセサリーなどの上から貼らない。
- 貼り薬ははがす。
- 小児用パッドは、成人(約8歳以上)に使用しない。
心電図の解析
心電図の解析を行う。解析中は音声メッセージに従い離れる。
電気ショック
電気ショックを行う。誰も触れていないことを確認してから行う。
関連リンク
- 応急手当(心肺蘇生法とAEDの使用)(外部サイトにリンクします)
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